※最近の医療現場では、
「ガン告知をして、医療者・患者共々ガンと闘う」
…と言う観点から、告知派としての考え方が主流に成りつつある。
※ある[告知反対派の一人の医師]が洩らした話がある。
＊某日、その医師の元に知人の高僧が体調不良を訴えて来院したと言う。診察してみると、明らかな末期ガン。折しも、ガン告知をすべきかどうか迷っていた時期。迷った挙句、
『長年の修行をした立派な高僧だから、大丈夫だろう…』
…と言う理由で、
「末期ガンで、余命三ヶ月…」
…と告知すると、当然だが高僧は精神的に随分と落ち込んだと言う。挙句、三日後にガン告知を聞いたストレスから死去したと言う。それ以来、この医師は[告知絶対反対派]に成ったと言う。
※この話を聞いて、
「医師の判断が、絶対に間違っていた!!」
…とか、
「死んだ高僧も、ダラシが無い!!」
…と、言う話では無い。
「人それぞれだから、一概に判断は出来ない!!」
…と、言うだけの話。
※私の場合も[モロにガン告知をされた]訳だが、鍼灸師と言う医療者であり、出家者でと言う立場から言うと、
「医学知識があって宗教心もある筈だから、強い精神力で立ち直って当然!!」
…と思われるのか、そう言われる事が多々ある。だが、今でこそ言える事実がある。絶対、皆様に納得して貰える筈であろうと思う話がある。
＊私に、幾許かの医学知識・臨床経験・宗教心がある…のは事実だと思うが、一応…は一人のただの人間である。薄々は気が付いていたとは言え、総合病院の外来診療室でガン告知を受けた瞬間、随分と精神的に落ち込んだのは事実で、
『我が命も、あと２〜３ヵ月か…』
…と、確かな死の予感があった。告知した若い医師も一瞬だが、告知した事実を悔やんだ表情をしたのも事実だ。
＊それでも、医師の説明を聞いていく内に、
『我が命も、３ヶ月〜半年は持つかナ〜』
…と、感じた。挙句、その場で医師の勧める通りに入院を決めた時には、
『家族の事がある!!貴方(医師)任せの治療だけで無く、自分でも何とかしなくっちゃ!!そうでなければ、自分の存在価値が無いじゃないか!!』
…と言う考えに成り、入院してからは平均的な患者では考えられない事をした。
＊入院当初は内科。外来で診て貰った内科医が担当。入院道具の中には、鍼灸や医学の専門書、様々な亜流医学の論文や著書・記事のコピーも入っている。それを担当医に見せなが自分の意見を伝え、一部だが闘病日誌を読んで戴ければ解ると思うが、自分のがん治療における希望を、一種の脅し(笑)のように発言したほどだから、随分と扱いに困った患者であったと思う。
※しかし、病気に成ったのは自分である。医師は高度な医学知識のある一部の治療師であり、患者の訴えはあくまで他人事であると言う事実。患者達の微妙な訴えは、教科書通りの一部分は解っても、臨床の場における患者個人の微妙な部分は、一切理解できる筈が無い。理解できるのは、患者本人だけと言う事実である。
＊その観点から言えば、患者は自分の悪い微妙な部分を、簡単明瞭に医師に理解納得させる努力をする必要がある…と、言う事実。又、その患者の発言を理解しようと努力しない医師は、ドシドシ担当から外れて貰った方が、その医師の為にも正解だと思う。地位と名誉と収入だけが目当ての医師なら、医師そのものを辞めて貰った方が良いと思う。もっと言えば、人間そのものをやめて貰った方が良いと思う。何故なら、あっては成らない話だが医師も人間だから、どうしても肌の合う患者とそうで無い患者と比べた場合、対応が随分と変わってくる事実がある。
＊一概に言えないのだが、アメリカ辺りでは医学部に入れるのが２６歳を過ぎてからだと言う。理由は、人間的に医師としての器量が備わる年代だから…と言うのが理由らしい。前出の、
「学校の成績だけが、その子の全人格!!」
…と言う風潮が強い日本では到底、考えられない事である。
※何度も言うが、医師免許を持っていても、医師に病気の経験が無いと、患者の言う諸症状は絶対に理解でき無いと言う事実は、経験の浅い医師は机上の空論だけで患者を診ようとしている事実。
※これらの話、私が歳を取って言い出したのでは無く、医師を初めとする医療関係者が周囲に多かったから、随分と幼少の頃から言ってはいたのですが…。
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