<私はガン患者>『ガン告知から入院。退院まで(一部)』
※【平成15年7月10日(木)】…[ガン告知]
 平成14年下旬位から、
 @胃の違和感があって食欲が減り、
 A便が出にくくなり、
 B凄い逆流性食道炎(胸焼け)が度々あった。
 …等などから、近所の内科で診て貰いながら4月21日から新しい仕事にも取り掛かっていた。しかし、貧血症状特有の立ち眩みや呼吸困難が出たりで、非常に体調が悪い。その度に、
「貧血かな〜?まさかナ〜」
 …と、思っていた。理由は、3月末日の献血の検査結果に異常が見られなかったから、
「変だな〜」
 …と思いながら仕事を続けていたが、その後、大きな病変か検査誤差があったのだろう。食後、胃の蠕動が始まると、傍目に解るほど胃部体壁がプックリと張れ、チューブから中身を搾り出すような状態に成りだしたから、
「ヒョットして、胃ガン…かな?」
 …と感じていた程で、5月初旬の市鍼灸師会の総会の時にも異様な顔色と吐血らしきものもあった。新しい仕事も当初と違って少なく成り始めた為に6月一杯で中止し、7月1日からは別の仕事を始めたのだが、担当者曰く、
「顔色が悪いと言うよりも、真っ白!!」
 …と言う程に身体状態が悪く成っていた。
 やがて、病的な倦怠感と不安感が増大。一種のパニック症状である事から、当時、県医師会会長であった叔父に頼み、実家近くの財団エヌ病院の院長を紹介して貰い、7月8日(火)午後から診て貰ったところ、
「おかしいナ〜。何処も悪い所が見当たらない…」
 …と呟きながら一通りの診察の後、私の顔をジックリ見て、
「貴方は元々、色が白い人だが今の白さは尋常じゃ無い。血液検査をしてみましょう」
 …と言って血液検査をしてみると、
「コリャ凄い!!平均的な成人男子の1/3程の血液しか無い、極度の貧血状態!!」
 …と言える数値が出た。
「私の専門は内科と違うので、掛かり付けの内科の先生に診て貰って下さい」
 …と成り、紹介状を貰って掛かり付けの内科で診て貰うと、
「これほど酷い貧血では、当方ではどうしようも無い。早急に大きい病院で胃カメラ検査をして貰ってください」
 …と、タライ回し状態で紹介状を書いて貰い、7月9日午前中に公立エヌ病院へ行って診て貰うと、「案の定…」と言うべきか、胃カメラ検査や外来で出来る各種検査の結果、
「手遅れ状態(一種の末期)の、膵臓に浸潤した悪性で進行性の胃ガンです」
 …と、告知された。説明を聞いてみると、
「この病状では、昨年夏頃から随分と悪く成り始めていた筈。だが、病状が出る迄は気が付く事は少ない」
 …との事。昨年夏頃とう言えば、複数の仕事の中でも4年半もしていた深夜の仕事を、極悪の体調不良と諸事情で辞めた頃。体調不良の原因が、ガン細胞が増殖して悪化していた事に成る。しかし、このまま放っては置けない。入院・手術を勧められた事から、7月14日(月)午前10時に入院する事に決定。携帯電話で家族に連絡し、詳細は帰ってから説明する事となった。新しい仕事の方は、代役を手配して帰宅。
 帰宅後、現在、来院している患者さん達には『急病の為、暫く休診』旨の電話連絡をする。

※【平成15年7月13日(日)】…[入院準備]
 9日(水)に胃ガンと告知され、明日14日(月)の入院準備も最終チェック段階。準備をしていた午前中、当院患者(以後、断りが無いのは当院患者)高齢エスさんが私の様子を見がてら来宅し、中元名目の金を置いて帰る。昨日、治療に来た時には、
「早く元気に成って…」
 …と、新鮮有精卵を持って来てくれたのに、その優しい心遣い…有難いものである。
 暖かく成るに従い忙しく成り始めた本業なのに、此処で入院と成ると何時退院か解らないから大きな痛手。不思議と仕事が忙しく成り始めたり、『これから!!』と言う時に限って必ず大きなトラブルが発生する。それこそ、
「何かとりついているのでは!?」
 …と、感じる。

※【平成15年7月14日(月)】…[入院]
 午前8時起床。入院前の朝食は、小さい餡パン一個とウーロン茶。
 本日、漏水していた水道管の敷設工事最終日。2週間程前から工事に来ていたビー設備の若い衆が来て、治療室の電気温水器の取り外しと古い配管を外した後の穴埋めで終了。
 午前9時45分に家を出る。寝たきりの親父も公立エヌ病院に入院しているから、母親を一緒に連れて行く。途中、病院近くの大型スーパーに寄り、本日から発売のサマー・ジャンボ宝籤を買う。私は金欠と入院費の心配で、連番で10枚のみ。母親は、
「当たって、少しでも入院費の足しに成ったら…」
 …と、連番20枚とバラ10枚を買って病院へ向かう。見方を変えたら、随分と緊張感が無い親子である。病院の入院案内書には、
『入院当日は、午前10時迄に3番窓口で手続きを…云々』
 …と書かれているが、宝籤の発売開始時間も午前10時。当然、病院指定の時間に10分程遅れて到着。3番窓口で手続きを済ませて待っていると、担当らしき看護師が窓口にきた。年齢不詳で多少気が強そうだが、私好みの雰囲気のある可愛子ちゃんタイプの美形だ。こう書くと、スケベ親父丸出し。自分でも、随分と緊張感が無いと思う。
 看護師は、やはり担当のワイ看護師。
 ワイ看護師に連れられ、当面の入院室のある7病棟に行く途中、心電図と胸部レントゲンを撮って7病棟へ。割り当てられたベッドでワイ看護師から在り来たりの家族構成を聞かれている間に、午前11時を過ぎてヒョッコリと女房が顔を出した。聞くと、勤務先の幼稚園理事長が、
「御主人の様子を見ておいで。心配だろうから…」
 …と、言ったらしい。三者入り乱れてゴチャゴチャ言ってる間に、携帯電話が鳴った。本来、病院施設内では携帯電話の電源は切っておく規則。三者、「アッ!!」と言う表情で顔を見合わせ、おかしさを堪えてソッポを向いた。その間に、通話状態にして話を始めた。電話は他病院に入院している患者ワイさんからで、様子伺い。
 これで本格的な入院患者と成り、7病棟入院中は手術に向けての各種検査漬けで、先の見えない不安だらけの入院生活の始まりだ。

※【平成15年7月15日(火)】
 本日は、大腸検査の為に朝食抜き。
 昨夜遅く紫色っぽい下剤(錠剤)を飲まされ、今朝から液体下剤一gを一時間で飲まされ、もう一gを2時間〜3時間かけて飲む。少し舐めてみると、口当たりが塩味のようで微妙な不味さ。これなら不味い筈のバリウムの方が旨いと感じる。
 10時過ぎ、患者ティーさんが受診を兼ね、受付を済ませて病室を尋ねてくれる。
 14時過ぎ、大腸検査が始まる。担当医のワイ医師が来て始まった。始まる直前に思わず出た言葉が、
「先生、お手柔らかに!!」
 …ワイ医師は、思わず苦笑いをしていたが…(笑)。
 検査は、肛門から盲腸部分までの大腸と呼ばれる全ての部分。何かあるとすれば、S字状結腸付近にあると思ったが、横行結腸に数個の良性ポリープのみ。で、基本的に異常無し。検査後、胃カメラを飲んだ時の組織検査の結果が出ており、説明では悪性進行ガンのVb。膵臓に浸潤しているので、浸潤具合で部分摘出か全摘。全摘なら、毎日のインシュリン注射が必要。 極度の貧血治療に、今日から一回400tの輸血を日を置いて三回程すると言う。二十歳の時から三十年で百三十二回の献血をしたが、輸血を受けるのは初めて。最後の献血と成った三月下旬の検査結果を過信していたのが命取りだった。

※【平成15年7月16日(火)】
 本日は、リンパ節のCT検査のみ。点滴と輸血をしながらの検査で、手間は掛かったが非常に楽。検査後は、何もする事は無い。
 夕食後の19時〜21時、不要物の持ち帰りとシャワーの為に一時帰宅。

                                 <以後、次回に>
        


[35] (2006/06/22(Thu) 01:44:12)

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