Archive for 3 月 15th, 2010

県鍼灸師会の「鍼灸まつり」にてガン相談。

毎年のように年度末の今頃になると、恒例の公益事業の一環で「えひめ鍼灸まつり」が行われる。今年は今迄と違って、経験者なら大変さが解るガン患者さんの相談依頼があった。

ちょうど昼前、受付で相談役の一人として来訪者の相手をしてると、鍼灸治療無料体験コーナーで治療をしていた若い会員と役員の一人が只ならぬ様子で私を呼びに来た。それも、私がやってる仕事を誰かに代わり直ぐに来て欲しいと言う。手の空いてた別の若い会員に代わって貰い、私を呼びに来た若い会員に話を聞くと、「施術コーナーで、いきなりガン治療の相談にものって貰えるかと切り出されたんですが、僕じゃ手に負えないし、かと言って、他の先生でも手に負えない話なんです」って、普段は私とバカ話ばかりしている会員がうろたえている。私の「私で良ければ、行くよ」ってそのままコーナーへ行こうとすると、「先生、チョッと待ってください!!  僕が患者さんに勝手に別のガンに詳しい先生にって言ってしまったんで済みません、イヤなら断ってください!!」って、完全に我を忘れてる。

ガン患者が、それこそ現代のガン治療の臨床現場において、完全に仲間外れの扱いを受けてる現状をみると、鍼灸の啓蒙活動の場に来て相談に乗って欲しいって言う事は、差し迫った問題がある筈。私の腕を掴み、私の意思を再確認してた若い会員に言った。「私の代わりができる人物が居ない以上、行くしかないだろ」って事を言い、体験会場へ行ってバトン・タッチ。

最初は、私の怖い私の顔(笑)を見て、一瞬だが戸惑いとも何とも言い知れぬ表情をしていた患者さんが、話をしているうちに気分も解れてきた。ただ、数が限られたコーナーだけに、先程の若い会員が場所の移動を言ってきたので移動。奥さんも来ており、三人で少々寒い所だが誰にも話を聞かれない場所を探しだし、そもまま話し込んだ。やがて一区切り付いたので帰る事に成ったが、ざっと1時間半程の相談であった。その感想では、我々鍼灸師は医師に比べると西洋医学的知識や臨床数などを比べると随分少ないのだが、医学に無縁の患者さんを始めとする素人と呼ばれる人達から言うと、あるらしい(笑)。それも、既存の西洋医学の知識とは姿形も全く違った独特の考え方があるようです。

ガンに限らず病人、それも大病と成った場合、普通は医師なりに相談し、自分で調べ考えてから自らが答を出すものだと思ってが、今回の相談で思い知らされたのは、多くの患者さんは医師に何か言われると「はい、御願いします」って、インフォームドコンセントなんて関係無く主治医の都合の良い格好で、いわゆる「医師主導の治療に成っちゃってるケースが、全部と言っても良いかも知れない」って感じたと言うより、確信した次第。で、今夜もこの辺りで。