Archive for 7 月 2nd, 2010

【近藤鍼灸院の健康新聞】「徒然なるままに「大腸の話」」

エビデンス社から、「がんサポート」と言う月刊誌が出ている。当ブログでもリンクさせて戴いてる「NPO法人・周南いのちを考える会」代表者の随筆が出るとの事で、本年2月号を書店で買い求め、3月号からは郵送購読に代えた。そして6月末、別冊で「めんえきサポート」って季刊誌が出た。なかなか解り易くって面白い本である。此れも郵送購読にする予定。

数年前から大腸の重要性に関した本が大量に出始めたが、書店で内容を確認してみると、内容が浅いような気がする。それもその筈で、大腸が大切だと言う話としては、50数年前に発表された「横田学説」が元に成っているような気がする。

横田学説では、俗に言う心臓麻痺&脳出血からガンにかけての大きな原因は酸性腐敗便と言う腐った大便が原因としている。当然、故・横田良介医師が研究の結果で発表したものだから、書籍を元に書いたモノじゃ無く、日々の診療の結果に書いた論文だから説得力が強いのだが、内容的に斬新なものだから所属する学会から猛反発を受け、発表直前に握り潰されたと言う。この横田学説を紹介したサイエンス月刊誌には、「発表されていたらノーベル医学賞を受け取れた筈の内容」とまで書かれている。

このように幾ら素晴らしい研究発表でも、時代の流れから大きく逸脱したと思われる新進的内容には、特に保守的な医学界では拒絶反応を示し、潰されている部分が余りにも多いのではないだろうか。

我田引水のようだが一言。西洋医学より何倍も歴史のある・・・それも大昔の事だから動物実験じゃなく人体実験の上に成り立っている東洋医学理論。現代の西洋医学理論とは相容れない理論も多いのも事実だが、西洋医学の医師・・・医学者と表現した方が良いが、東洋医学って名前だけで伝承医学=素人療法と断罪し、研究してみようと言う医学者が殆ど居無い事実。たまに居たとしても、周囲に潰されると言う現実。

情報源が本だから今の私には真偽の程は解らないが、「某国立大学医学部勤務の医師が、鍼灸の効果に驚いて[鍼灸医学研究室]と言った感じの研究部署を作ったら、周囲の医師達に気違い扱いされ、一週間で潰された」・・・と言う記述があった。その内容に、変に納得できるのは私一人だろうか? だから、「東洋医学にはエビデンスが無いから医学じゃない!!」的な発言をされる事が多いのだが、研究しようとする医師が居ても、周囲の医師達が協力しないどころか妨害するのだから、「エビデンスを作る機会さえ与えられないのだから、何時までたってもエビデンスが出来ない」・・・と言う堂々巡りをしているのだ。

そして「鍼麻酔」真っ盛りの頃、中国でアメリカ人記者が鍼麻酔で抜歯術を受け、その事実に驚いて報道したもんだから、そのニュースは世界中を走った。だが、原稿を書いてる手元に資料が無いので正確な日時は書けないが、あの「中国での鍼麻酔での抜歯術」と言うセンセーショナルなニュースの一年前に、日本人医師(産婦人科医)が人工妊娠中絶に鍼麻酔を応用し成功している。産婦人科学会誌にも記載されてるから、確かな情報である。その論文の最後に当産婦人科医師が、暗示と解釈されていた鍼麻酔に関し、「暗示と鍼麻酔の効果を証明される事を熱望する」・・・と言う意味まで書いてるのだが、冷笑されただけで・・・はやり潰されているのだ。

何にしても、新進的解釈を発表すると・・・不遇な最後を遂げる証明のような気がする。