Archive for 10 月 15th, 2018

座敷童

当家には座敷童が居ました。何年か前、出掛けたまま帰宅した雰囲気が無いのです。では何故、この段階で座敷童の話なのか。実は先日の深夜放送で、座敷童に関する凄い映像を観たから。
座敷童オタクの芸人が、最近、座敷童がよく出ると言う新しい割烹旅館に取材に行き、沢山のオーブが出たり、戸をノックする音やドアを擦る音を出しただけでは無く、寝入った芸人の腕を持ち上げたり降ろしたり。芸人は完全に寝入って鼾をかいてる位だから、気が付かないまま。翌朝、無人収録していた録画を見せられ驚いていた。もっとも、此処の座敷童は男女二人居て、人間にも堂々と触ると言うから不思議である。

①女房が嫁いで来て暫くすると、「この家には誰か居る」と言う。何年か経った頃、「お父さん、誰か二階に居るでしょ?」と言った途端、私の頭の中・意識下に二階座敷に丸刈りのチャンチャンコを着た半ズボン姿の男の子が正座して座っている。何故か、何を言うでもするでも無く黙って座っている。
女房に、「その子、今こんな格好でテレビの前に座ってるだろう」って言うと、「お父さん、見えるん?」「いいや、直接的に目では見えないが、頭の中にパッとテレビ画面の格好で見えてるんだ」「誰、この子?」「多分、座敷童だと思う」「座敷童の居る家は幸せに成るって言ってたよね」「ああ」と言った会話があり、不思議な感覚のまま過ごしていた。

⓶当家の座敷童は一人だが、話題にると何度か上記の如く意識下に出てきたり、当時 小6の息子の友人が遊びに来た時も、二人の間に寝そべってゲームを観ていたのを目撃した事もある。
息子からは「友達が一人来る」と言う話を聞いてたが、息子を入れて三人。玄関先には友達の靴だけ。ジュースは二本しか用意してない。コップで分けようとしてると友達は帰った。息子に「友達は二人来てたろ?」「一人だった」と言い争いに近い状態に成ってると、女房曰く「私も三人でゲームをしてたのを見た」と言う話で大騒動が起こった程である(笑)

③子供達も独立・半独立をし、女房も実家に一人で生活をしてる母親の面倒を診に帰り、やがて我が母親も認知症で施設に入れ、我が家には私独り。所謂、独居老人と成った訳だ(笑)。
ある日、鉄筋二階で誰かが騒いでいる。声は聞こえないが、子供が一人で「何とかゴッコ」で遊んでいる様子。すると誰も反応する者が居ないから、階段の中程まで降りたり上がったりしている。それでも誰も反応しないから、玄関ホールで降りて走り回っている。段々と私の治療室入口の傍まで来て、治療室内の様子を伺っている。二階で騒ぎだして十日目~二週間目頃だったろうか。
脅してやれと治療室ドアの側に行きバッとドアを開けた途端、瞬間的に雰囲気が消える。ドアを閉めると、再び様子を伺いながら騒いでいる。こんな調子で二日程経つと、今度はドアの表面を指先でコリコリと小さく引っ掻きだした。面倒臭いから無視してると、こんどはガリガリと強く引っ掻きだした。再びドアを開けると静かになる。
この様子を女房に届け物があり勤務先の幼稚園行って話すと、「お父さん、折角 遊びに来てるんだからお菓子とかジュースを出してあげたの?」「出してないわ」「何時までも悪戯してるって、何かして欲しいからなの。座敷童って言う位だから子供なのよ」「そうか。気が付かなかった」
そして夜、食事を買いに行ったおり、子供の好みそうなお菓子とジュースを買いレジに行くと、比較的 仲の良い女性従業員で普段は買った事の無い子供向けのばかりだから不思議そうな顔でみていた。
家に帰ると、早速 お盆に入れ階段の上り口に、ネズミやゴキブリに食い荒されないように養生して置いた。それからは、滅多に治療室入口迄は来なく成ったが、面白い事に置いてあるお菓子や飲み物に飽きた頃に、遠慮気味に交換を言いに来るのは面白かったですね。やはりドアを小さくコリコリと引っ掻く。その時は、ソックリ入れ替えるのだが、捨てるには勿体無いから私が食べて始末する(笑)。

それから何年経ったか、雰囲気が感じられなくなったので調べてみると、どうも家を出たらしく、一度 家出しちゃうと帰って来ないと言う。家族には、「当家の座敷童が家出したらしく、何処にも居ない。見かけたら、帰ってくるように言っといて」と伝言しておいた。
それでも帰った様子は無いが、訪ねてきた様子がある事と、大柄・・・大人の雰囲気で通り縋る事がある。こうなると、ジュースやお菓子では無くアルコール飲料とおつまみの話に成る(笑)。まあ、チャンと居ついて無いから居たり居なかったりですがネ(笑)。