Archive for 11 月 20th, 2018

【近藤鍼灸院の健康新聞】「痛みが無くなったから治った?」

よく「痛みが無くなったから治った」と発言する人が居る。だが、これは間違い&勘違い。
例えば、手術しなけりゃならない病気に成った場合、手術すると当然、傷口が出来て臓器成り何なりを切り取る事と成る。本当に治ったのなら、時間の経過で傷口が完全に消え、切り取った臓器などが完全再生するのか?。答えはノー。傷口が完全に消え、臓器が復活して本当の意味で治った事になる。
じゃあ、何と表現するか。「日常生活に差し障りが無い所まで良く成りました」と表現するのが本当だが、忙しい医師達は患者さんの「治りますか?」の質問に正確に答える時間的余裕が無いから、「治りますよ」と簡単に言葉を濁して言ってしまうのです。
それでも、「消えた痛みが二度と出て無いから、絶対に治っている」と言い張る患者さんも居たが、その時点では出て無いだけで、時間経過と共に殆どのケースが何等かの異常を感じているのだが、以前程に悪さを感じないから「治った」と言ってるのです。
「古傷が痛む」と言う言葉も聞きます。傷が完全に治って無い証拠。だから時間経過で色々と症状が出てくるんです。「古傷がー」は大なり小なり経験があるでしょう。

私が64年前の2歳の夏、急性虫垂炎で大手の私立病院の分院に運ばれた。ところが、病院に何人も居た医師が2歳児の虫垂炎手術などした事は無い。何人もの医師が集まって会議が始まったが、虫垂が炎症を起こしてるのだ。高熱で私の体は拍動に合わせて揺れていたと言う。で、このまま夜を明かし2歳児の急性虫垂炎の手術経験のある何処か大手病院を探そうともしたらしいが、夜間である事も含め時間的猶予が無く、結局は手術を決行と成ったらしい。非常時の為に、手の空いた医師や看護師をかき集めたらしい。おまけに翌朝手術を受ける患者さんが居て、非常時の為に保存血液が準備されていた。たまたま私と同じ血液型だった為に、その患者さんの了解を得てクロスマッチ等の検査も行われた。この話を思いだすと、私は色々な人のお陰で生かされてると思います。そして無事に手術も終わり、私に血液を分けて下さった患者さんも血液の必要性が無いまま無事 手術が終わったと聞きます。

ただ腹立たしいのは、この話を聞いた若者の中には「何かの勘違いジャろ」とか「夢でも見とったんじゃないのか」とか、舐めたふざけた言動をする者もいたから、「傷口を見てみるか。小さい時の傷口だし、何十年も経ってるから虫垂手術の傷口としては、それはそれは太いぞ」と言うと、人を舐めた言動した割に「みたく無い」と言う。今時の若者に多い、事の善悪や事実を自分の知識や頭脳で理解出来ないから否定する割に、「嘘か事実かを確認させてやろう」と言っても逃げるしで、骨の無い奴等が多いも事実。
平均的には、なかなか在り得ない事や経験の無い事は俄かに信じがたいのも事実だが、色々と経験しようと言う若者が減ってるのも事実です。