Archive for 1 月 2nd, 2019

走る競技は苦手だが

生まれもっての鈍足に加え太目の体型が相まって、自慢じゃないが足は遅い。ところが48年前の高3の時に、色々とあって奇跡的な事が起こった。走る競技とは言っても[俵運び](笑)。一番手で走るのは嫌いで、二年生に任せた。

スタートしたは良いが、我が後輩はドンケツであり半周以上開けられてのチェンジなのよ。だって、俵は肩に担いで走らないと駄目なのに、ダッコチャン・スタイルでやったから遅く成って当前。俵を受け取った時、後輩が「砂が漏れてる」と言ったが「構わんよ」と言って走り出したのだが、いま考えると反則かも(笑)。でもね、前を走ってる選手に追い付く事しか考えなかったから、鈍足で走りました。コースは一周400m。これで、少なくても、半周以上空いた相手に追い付かないとダメ。要らぬ事を考える暇は無い。だって走るには致命的な鈍足なんだから、前を見て走るのが精一杯。だが、前を走る選手の背中が何故か近寄ってくる。見ると、前の選手がダッコチャン・スタイルで走ってるから遅いのだ。私の時と状況が全く逆‼「やった~‼」と思いながらラスト・スパートと言ってもスピードは上がら無い(笑)。
やがて残り1/5頃と成った頃は、私のチーム席前近くだ。丁度チーム席の前近くで追い抜いたんだが、その時、チーム席では、固唾を飲みながらも、追い抜き状態の私を見ながら「ワッセ~、ワッセ~」の声で応援して居たのだ‼ 前の選手と並び追い抜いた瞬間、声援が悲鳴に代わり太鼓が叩かれ、ドラム缶が叩かれ、ドン尻脱却争いが、まるで優勝したかのような大騒ぎに成っていた。こう言う団体競技ってさ、順位が1番違うと得点が何点も変わるから、接戦チーム同士の争いとなると、大騒ぎ以上になるんですね。今回の大騒ぎの元が、考えてみると私(笑)。

ゴール地点で俵の受け渡しをした後、最下位を脱出した事で安心してレースの成り行きを見ていると、私のチームの俵から黒い粉が落ちている。「あれって、詰め物の砂と違うか?」と言う声が上がったが、大会責任者からは中止の声が出ない。出ないどころかレースは続けられ、結果的に私のチームが優勝したのだ。それも、私の走った後の選手が全員一人づつ抜き去り、アンカーが空になった俵の袋を担いで他チームのアンカーを追い抜いて優勝したのだ。当然だが、特に2位3位辺りのチームが納得する筈が無い。

再試合を申し出る者も居るし、記録を抹消する提案を出す者も居る。兎に角、重い俵を担いで走った者から言えば、少なくても俵運びで、[アンカーが空の俵を担いで優勝]と言う前代未聞の事実が許されぬ。当然だろう。その裏には、委員会始め色々な事があったようだ。

音楽関係以外で特に運動音痴で有名な私が、最下位から優勝へ導いた働きをした分だけ、校長や教諭や生徒会などの運営委員会が「あの近藤が‼」と言う一言で納得させたらしいと言う話もあったようだ。高校卒業後、三月下旬まで学校に出入りしていた事もあり、色々な話が耳に入ったのも事実である。何にせよ、鈍足の私が走る競技で名前が出ると言うのも、学校行事の一環の運動会での話である。何となく、真偽の程は解らぬがコソバユイ話ではある。