Archive for 3 月 4th, 2019

【近藤鍼灸院の健康新聞】⑩「命を諦めた」

「命を諦めた」のはガンでは無く、何度も出てくる「甲状腺機能減退症」で諦めたのです。鳩胸だった事から随分と元気であった筈が、何時の頃からか病的な倦怠感が出始め、やがては口癖のように「しんどい」って言葉が出始めていた。
やがて、それを聞いた家族や周囲の人々が口汚く罵りだした。「若くて良い体格して元気そうなのに、シンドイって甘えとる証拠ジャ‼余裕があるからジャ‼」と、何の医学知識も臨床経験も無い素人が口を揃えて罵倒をするのです。ところが、高度な医学知識があり臨床経験もある医師ですら、呆れたような口振りで「そんなの痩せたら治る!!」の一言。素人と全く同じ見解‼

では、何処で甲状腺機能減退症である事が解ったのか。
体調不良で大学も辞め鍼灸学校へ入学したのだが、当時は結構年配の方々が居て、そんな中に年上の薬剤師のMさんが居た。同級生の彼は、私の「シンドイ」が気に成ったのか、黙って病気を探してくれた。その時は「粘液水腫」と言ってくれただけだが、調べてみると「甲状腺機能減退症」の一症状。
彼の「医者に掛って診て貰ったら」と言う言葉に、「名古屋大学付属病院に掛ったが、医者は痩せたら治るで席を立とうとしたから、検査位って言うと、小便で糖とタンパ ク調べただけで、再び痩せたら治るで席を立とうとしたから、他に検査が有るだろうと聞くと、此処でやった検査以外、一切無い‼そんなの痩せたら治ると言うから、痩せる迄 この症状を我慢しなけりゃ成らんのかと聞くと、逆ギレした医者はそんなの自分で考えろって自分の座っていた椅子を蹴り飛ばし、診察室から逃げるように走り出ましたよ」と話し、
「それ以来、医者の事が一切信じられない事になりましたよ。」と言うと、Mさんは真っ暗い顔で黙ってしまったでしまったですよ。

それでも、「新居浜の鍼灸治療で有名なI病院、親戚だろう。相談してみたら」と言う言葉に、「家庭医としての付き合いしてるが、この病的な倦怠感に付いては解ら無いので無視されてますよ」。結局、Mさんはそのまま黙ってしまった。

この頃に、自分で解ってたのだが、肩から首回りの何処かに不具合を感じるし、何かの時に医師に言ってもダメ。中に気の利いた医師が甲状腺を触診するが、甲状腺機能亢進症(バセドー氏病)では無いから、余程で無い限り解りにくい。そして、「私のこの命、チョットした事が原因で病的な疲労感・倦怠感があり、素人ばかりか医師にも理解されず、死なないと理解されないかも知れないが、最悪、死んでも理解されないだろう」と言う事になったのです。

それでも、勤務していたI病院で埒があかないから、近所の医院で腕の評判が良い医師が居たので有休を取り、行ってみた。健康保険はI病院のだから、さすが院長は私の立場を心配してくれたが、辞職する予定だからと言う事で診て貰った。

症状を聞き検査をと成り検査用紙を見ると、今迄掛った病医院でバラバラでした検査を一括して調べるだけで、目新しい検査は無い。「此処でもダメか」と思ったが、医師の答を聞いてからでも遅く無いと判断。黙って検査を受けた。そして一週間後、検査結果を聞きに来るようにと言われていたので行くと、「検査に異常は無い。痩せたら治る」。その一言で、また切れました(笑)

「先生、先日診察をお願いして検査をと成った時、検査内容を見て悪いが此処でも私の悪さは見つける事は出来ないと思いました。で、鍼灸学校の同級生に薬剤師が居て、内緒で私の病気を探って、粘液水腫じゃないのかと言ってくれたが、アチコチの病医院を回った時、その話をしたんだが何をどう思ったのか、その話は医師が握り潰して検査すらして貰えんかったですよ」と言うと、ここで漸く血液検査をする事に成り、結果が出た時には、「こんなに凄い数値が出るとは思わなんだ‼」と言う話。「この病気を確定するには基礎代謝の検査が必要」と成り、検査した結果はマイナス30%。本物の甲状腺機能減退症と決定されたんです。そして、諦めた命は陽の目を見る事に成りました。

これ以外にも書けない内容が沢山ありましたが、この辺りで。