Archive for 3 月 16th, 2019

【近藤鍼灸院の健康新聞】⑮「食あたり」

多くの人が信用しない治療結果に、「腐った食品を食べて食あたり」に鍼灸治療が効くとは思って無いみたいですね(笑).

第一の理由に、昔と違って各種健康保険が完備され、多くの場合、病医院で医師の診察を受けられるから、「食あたり」では鍼灸院の門を叩く事は少ない。私も、本物の食あたりは臨床40数年で唯の一人。

写真関連の知り合いで大型スーパー内の写真店の雇われ店長だった。某日の日曜日、写真店に行くと居ない。女性職員に聞いてみた。

「店長は、昼休みに惣菜部門で稲荷寿司を買ってきたが、店舗が忙しく寿司を置いて手伝ってくれたのは良いが、寿司をウッカリ点灯したスタンドの真下に置いたままだった。気が付いたのが2時間以上経っており、おまけにお稲荷さんが糸を引いてるのに食べた。そして1時間程して腹痛と吐き気・下痢までが出た」と言う。

自宅に電話すると奥さんが電話に出たので様子を聞くと、「熱があるのか布団を掛けて一言も喋らず寝てます」と言うので、往診鞄を持って知人宅へ。

寝てる知人に声を掛けても反応は無し。仕方なく、左を下に寝てたので右下に寝かせ直し、まずは腹痛を取る事に。腹痛が取れると身体が真っ直ぐに成ったから、仰向けに。そこで動きの停まった消化器系の治療をし、消化器系の動きを活発化。次に。潰せにさせ、左足裏に食中りに著効のあるツボがあるから印を付け、奥さんに灸を据えて貰った。

「幾つ据えたら良いの?」に。「熱がるか、痛がるまで」と言うと「?」の顔で据え続けた。その間に往診鞄の片付けをしていると、「熱い‼熱い‼」と騒ぎ出したから止めて貰い、知人宅を後にしたのだが、「まら痛がりだしたら、夜中でも良いから連絡して」と言って帰ったのだが、結局、連絡無し。

明日の夕方、流石に連絡が無いから家に寄ってみると、「まだ熱っぽさがあるが、症状そのものは止まったまま。ズッと以前に、鍼治療は何度か受けた事があるが、鍼がこんなに効くとは思わなんだ」と言う。

「でもね、何でこんな事に成ったんだろうね?」と聞くから、「狸親父が、傷んだお稲荷さん食べたから罰が当たったのよ」で御終いでした。