Archive for 5 月 9th, 2019

【近藤鍼灸院の健康新聞】⑳「エビデンス」

西洋医学では随分と前から、一言で言えば「エビデンスが無いから信用できない‼」って言います。[エビデンス]って言葉、此処では医学的根拠・証拠と成ります。
だから鍼灸医学・漢方医学、元々 東洋医学と呼ばれていた医学は民間療法と呼ばれていた。ただ医師の中に漢方薬の薬効に目を付け、成分や動物実験で科学的に薬効を認めさせ、保険適用の薬を作り上げた。
漢方薬も其れで効果の出る物もあるが、本来の使い方からすれば間違ってる物や、それに近い物もあるから期待程の結果は出て無いのではないか。
また、「漢方薬は生薬だから、身体に優しい薬」としてるが大嘘‼。心ある薬剤師や十分な勉強をしている薬剤師は、決してそんな事は言わない。口を揃えて「漢方薬の方が毒性は強い‼」って言います。
解り易い説明では、毒草として有名な「トリカブト」。時代劇で毒殺シーンに使われるから、御存知の方も多いと思う。このトリカブトはかなり強い毒薬だが、現代では心臓の薬やインポテンツの薬として使われている。
鍼灸学校在学中、課外活動の一環として薬草の栽培会社へ見学に行った。そこでトリカブトを見せて貰い説明をきいてると、説明してる人曰く、「この葉っぱの先の小さい所、味噌汁の中に入れて飲んだら、役立たずがビンビンに成る」って説明してました(笑)。実習現場での、嘘偽りの無い説明であった(笑)。
西洋薬も漢方薬も元々、平均的に毒物である。それを「匙加減で、薬にも毒にもしている」と考えておかねばなるまい。決して「漢方薬は、生薬だから身体に優しい」事は無いのだ。ただ、生薬だけに身体に馴染み易いと言う事が考えられる。

そして漢方薬の正しい使い方は、まず症状を診て脈診をし、漢方薬の原材料名と重さを処方し、土鍋や行平に規定の水に入れ、規定の量まで煮詰める。本来はそれを使うのだが、現代のように忙しく手間が掛けられない為に、西洋薬と同じように成分薬を使う事になるが、効果は計算通りには出ないと思う。
ただし、本来の土鍋や行平で煮詰めて作る事と比べた場合、成分に均一性があって良さそうに思うが、土鍋・行平で作った方が「現代科学では解明されて無い+αの効果」があるのです。
例えて言えば「温泉」。全く違う場所の温泉で、同じタイプの温泉水であっても効能が全く違う。何故なら、その温泉水が含まれていた地層や環境が全く違うから、効能が違ってくるのです。面白いのは、山奥の温泉。正しくは冷泉なのだが、その辺り一帯は太古の昔は海底だった筈で、地殻変動か何かで海底が山の頂上辺りに居座った(笑)。だから何億年・何千年も経って、海水が温泉水と成り、塩っ辛い温泉として効果がある。だから、最近流行の海岸縁の海水温泉とは違った効能がある筈なのです。

温泉も科学的解明が成され、温泉に行くと公的機関に成分などを調べて貰い、「何に効く」と書かれています。これが「冷泉だが温泉として認められる水」。それと、昔の銭湯は「何とか温泉」って名前が付いてたが、この成分表が取れな水道水の銭湯は「温泉」の名称が付けられなく成ってます。

料理番組をみていると、一流の料理人が大事と思うレシピを平気で後悔します。司会者が、「レシピを教えて大丈夫ですか?」と聞くと、「大丈夫。レピシだけで、私と同じ味は作れません」と言う。何故なら、「火の強さや加熱の方法やら掻き混ぜ方で、味が随分と違うのです」と言う。仮に、今流行のAIで調理させても同じ味には成らない。外食で美味しい料理を食べ、腕自慢の女性が作り、二度目の時にソックリの味に成ったが、何か一つ足りない。美味しいのだが、何か足りないのだ。結局は長年の技術と言う話。

こう考えると、薬も温泉も食べ物も、表向きの事だけで結果が同じと成らない事は明白だと思います。酷い話、薬の中にはエビデンスも無いまま、患者に飲ませると効いたからと、使われてる物もあると言うから、怖い話である。