Archive for 7 月 6th, 2019

【近藤鍼灸院の健康新聞】㉖「救急医療」

令和元年6月21日㈮の愛媛新聞の「この人」の項に、歯科医師の先生が救急医療の必要性を書いていた記事が掲載されていた。

救急医療が叫ばれ始めたのは、重病人や大怪我をした人達に、救急車の中で出来る行為には法律上色々な問題があり、今以上に救急車内で亡くなった人が多かったとも聞き及ぶ。そして、出来上がったのが救急救命士。「看護婦(師)を‼」と言う話もあったらしが職域が違い過ぎる事と、新たに救急救命士の再教育となると無駄が多い事もあり、独立した国家資格として誕生したと思う。でもね、やはり一線を引いた看護師ですら、「我々の職域を犯す‼」と反対していた看護師も居た。

「何時もの寄道」だが(笑)、昔の日本の国際線の旅客機のキャビン・アテンダントは、看護師の資格が必要だったと覚えている。当時はスチュワーデスと呼ばれていた頃で、当時の飛行機では太平洋横断に時間が長かったから、半ばやむ追えない事だったのかも知れない。その内、国際線の機内のドラマを見てると、急病人がでると、機内放送で「お客様の中で、お医者様は居られないでしょうか?」と言ったアナウンスが流されたシーンを見かけた事があったと思う。乗客も色々な人種・職業の人も増えたし、機内職員にも救急医療の教育が成されはじめたから、必ずしもアテンダントが看護師で無くとも良く成ったのだろう。

「話を戻す」と、歯医者・歯科医師と言う名前から、未だに『歯医者も医者だろ』と聞く人が随分と居るが、歯医者は法律で歯科医師と位置付けられており、医者(医師)とは全く違うと区別されている。だから皆さん、歯医者さんへ行って歯の治療を受けながら、「先生、風邪気味だから風邪薬だしておいてください」ってお願いして、貰って帰った事は無い筈。たいてい、「病院へ行って出して貰うか、薬局で買って下さい」って断られる(笑)。もっと言えば、歯科医院でお産をしたり、歯は別として妊産婦の定期検診した試も無い筈(笑)。だって、資格の問題と、大学の医学教育の中で、基礎医学はほぼ同じでも後の専門課程は全く違うから、技術的に出来ないのです。

何年か前に、薬学部も4年制から6年制に成ったが、医学部も歯学部も昔から6年制。今も、「医科も歯科も、大学は4年だと思ってた。薬学部だけが6年制に成ったと思ってた」と言う人も居るし、それを知らない高校の進路指導の先生が居るというのも驚きである(笑)。そして「歯科医師の国家資格を取得する」には、「歯科医師から高校で習う大学受験用の勉強を習い、歯科技工も習って技工士に成ってから検定試験を受けて、検定が受かったら歯科医師の資格は取得できる」と「思い込んでた進路指導の高校教師も居た」のには驚いた(笑)。

比較的、歯科医師は救急救命医療に疎い。だから、九州で2歳児の抜歯の為の麻酔を打って、麻酔事故で死なせた話があるが、歯医者は何もできずに経過観察で死なせてしまったと言い、書類送検されている。その辺り、歯学部の教授が怖い話をしたのです。歯学部4年生が終わった時点で、「後2年、何を教えようか」と言う話。一応は、6年間で歯科医学の勉強を義務付けられているのだが、4年間で必要なカリキュラムを教え切ってしまったと言う話。薬学部が4年制で足りないと言って6年制に成ったのにね(笑)。

愛媛新聞に投稿した歯科医師も、交通事故現場に居合わせたが、結局、何もできないままに自分の力の無さに呆然としたとう言う。医者にしても、出来る医者ってどのくらい居るか解らないが、面白いと言うと失礼だが、新居浜であった本当の話。

新居浜市医師会病院で医師の会合があった夜、一人の若い医者が倒れた。一瞬驚きたじろいだが、周りは若手のバリバリの医者ばかり。数人の医師が駆け寄り、心臓麻痺の救命処置を始めた。何人もの医師が居るから、診断も早い。手の空いた医師は救急車を呼び、病院の手配などを始めていた。そこへ救急車が来たのだが、何人もの若い現役医師が寄ってたかって救命処置をしているのだ。こうなると、一人や二人の救急救命士があがいたって歯が立たない。それこそ、邪魔なだけ。処置は医師に任せて病院へ運び、生きながらえたと言う話。

丁度この頃、二浪して医師免許を取った従弟が、研修医終了間近の夏に当直に入っていたのだが朝礼が始まっても出て来ないと友人が見に行くと、緩く冷房の掛った部屋で冷たく成ってたと言う話。早い話が過労死。救命処置が間に合う状況では無かった。

臨床検査技師をしていた友人に言わせると、「医者もあれで大変で、大体、40歳位で死ぬケースが多い。40歳を過ぎて病気などして無かったら、大体、寿命まで生きられる」と言っていた。そして病院内でも研修医イジメがあり、シンドイ仕事は研修医にさせると言う事が堂々と行われていたと言う。

だから、私のように見えない病気や怪我でで四苦八苦してるのに、「元気そうに見えるのに、シンドイとかは贅沢じゃ」とか「甘えとるんジャ」とか「金が有るから余裕があるから言えるんジャ」とか成ると、精神的な虐待ですよ。だから、以前に書いたように「自分の命を、諦めた時期もありました」。

救命救急の話は、歯科医師に限らず、我々鍼灸師ばかりか按摩マッサージ指圧師、柔道整復師など医療系の国家資格を持った人にも義務付ける必要があると思う。公社 愛媛県鍼灸師会では、日赤愛媛県支部から担当者に来て貰って救急医療を少し習ったが、本当から言えば「最低、半年に一回は定期的に、習う必要がある」と思います。本当は、もっと時間を必要とします。

そして、医療従事者に限らず、スポーツ界のインストラクターなども習っておくべき問題だと思います。

20年程前、当家の子供達がスカウトに入っていたのだが、何かの行事があるからと、小鼓笛隊の練習をやらせたのは良いが、責任者の娘が体格の良い高校生に指揮棒一本。小柄な子供達には大太鼓や重量のある楽器を持たせて、真夏の蒸し暑い昼間に2時間も3時間も休憩無しで練習をやらせる。思い余った私が注意したのに、止める気配が無い。丁度、高校の女子バスケット部で熱中症で何人も死んだと言うニュースが流れていた頃。他の父兄に言ったら、「気違いみたいに怒って、人の言う事を聞かない」と言うので、私一人で相手の牙城に乗り込んで話をした。

結局、イベントの時には私も医療関係で手伝いに行く事に成ってたが取りやめ、練習にしろ本番にしろ、一時間に1回は10分以上の休息を取らせる事に成った。これが守れないで人身事故が起こった場合、スカウトの責任者を糾弾するとしておきました。そして、上記の高校女子バスケット・ボールのコーチなり監督は、「今迄、事故は起こらなかったから」と言い訳していたが、スカウトの責任者も同じ事を言ってたのには驚いた。

そして、私が手術後、極真空手を習い始めた頃、稽古途中で何度か給水タイムが作られていました。私の高校時代に習っていた時は、「水分取ると、疲れるから飲むな」って指導をされてたから、時代は変わるですし、「体に異常を来さない」ようにと言った予防医学に成るんですね。。