モテない男の「女性の想い出」

怖い顔してモテた記憶が希薄な私にも、幾つかの女性の想い出がある(笑)。
その中でも、鍼灸学校最後の修学旅行。「専修学校で修学旅行」って聞いて、私も「エッ!?」と思った程だから、皆さんも同じだと思います(笑)。

在学中の最後の旅行は、黒四ダムのアルペン・ルートのコース。詳しくは忘れたが簡単に言えば、四国~アルペン・ルート~飛騨高山~下呂~名古屋~四国の二泊三日のコース。ダムを後にしてロープ―・ウェイで山頂方面に向かってる時、急に温度が下がったと思ったら、隙間の多い雲が流れてきたと思うと雹でした(笑)。だから寒くって寒くって、「早く温かい四国へ帰らせて~」って泣き叫んだと言うのは嘘だが(笑)、それほど寒かったですよ。

アルペン・ルートのコースは、元々が工事用のトンネルや道路などを観光用に手直ししたもので、安全にシッカリと留意した作り。石原裕次郎 主演の映画「黒部の太陽」が制作される位の難工事だったと言うのが理解出来ます。

この黒部第四ダムの突端へ上がり、ダム湖や山々の壮大な風景を見た瞬間、「日本人が、神々の住む領域の近くまで作った壮大な建造物‼」って感じた程。少々、オーバーかも知れないが、その位のインパクトがありました。何年かして、母親が簡保の旅で行った時も同じ感想を言ってたが、叔母がその後に行ったが「ダムと山と空があっただけ」って感想に、少々ズッコケました(笑)。

もう43年程前の話だから細々とした部分は忘れてるが、どうしても忘れられない部分がある。飛騨高山の屋台会館へ寄ったおり、小雨が降っていた。傘は持ってたが出し入れが面倒なので、雨に濡れて行く事に。皆を見ると、小さな折り畳み傘に大の大人が5~6人は入ってる。入っていると言うより、一番外の人など頭の半分も傘に入って無いのだ(笑)。それでも、彼方此方で傘の争奪戦に成ってるのに、「オ~イ、入れよ~」って声が掛かる。有りがたいが、大柄な私が入っても側に立ってるだけの状態に成る。こう成ったら、濡れるに任せて走った方が正解。

声を掛けてくれた同級生達に「ありがとう。少々濡れても走った方が早い」と言い走りかけたが、すぐ側に小さな浅い水溜りがあったので軽く飛び越えた時、ブレザーのポケットに入れていたストロボがボチャリと水溜りに。その様子を見た同級生達は、「ア~ァ、それ見ろ~」「言ったばかりなのに~」と、色々と言われたです(笑)。ストロボは、浅い水溜りに落ちただけだから即拾い軽く一振りすると、電気関係に異常は無い。もう一度軽く振って再びポケットに(笑)。その時、側に居た可愛い子チャン系の目のクリッとした若い女性と目が会った。そして彼女が自分の開いた傘を差しだしたのに気が付かず、会釈をして振り返った途端、今度は私が水溜りに足を突っ込んだ。「ワッ‼またやった‼」と同級生達からヤジが出たが、それを見た女性は、「これは‼」と思ったのか、今度はシッカリと私の目を力強く見詰め、傘を差しだした。

私は過去、うら若き美形の女性から自慢じゃないが、こんな素晴らしい扱いを受けた事は一切無い‼(笑)。瞬間、迷ったが会釈をして傘に入れて貰う事にした。そして傘を預かろうとしたが、彼女も傘の柄を持ったまま。そのまま二人で相合傘で歩きだした。面白い事に、その一部始終を後ろから見てた同級生達は、押し黙ったまま私達の後を大人しく付いてくる。そして屋台会館に入った時、雰囲気的に「この女性も団体と思うが、バスに戻る時間まで一緒に居させて貰おうか~」と思ったほど。何故か、哀愁を含んだ彼女の雰囲気に「失恋旅行かな?」と思った程。それが自分でもビックリする程に雰囲気が良かったのですよ(笑)。で、御礼を言って別れてしまったのです。残念‼(笑)

屋台会館では一通り見学をして時間が来たからバスに戻ると、外で待ってた連中が「アレッ!?」て顔で私を見ながら笑ってる。「何か‼」って言いながらバスに乗り込んだのだが、何故かガイドや運転手まで様子が可笑しい。変な笑い方をしている。

私の席は後ろに近かく、荷物や人を避けながら歩いて行くと、三人の30歳代の女性軍が、揃って大きな声で「アレッ!!」と言う。「何さ‼ 皆さん、ワシが帰ってきただけで、何で騒ぐの?」って聞くと、「貴方こそ何故、帰ってきたの?」と、思わぬ不思議な発言をする。「帰って来ないと、置いてかれる」と言うと、「多分、私達とは一緒には帰らないってとばかり思ってた」「何で?」「傘を差し掛けてくれた彼女と、以後、同行しますって、言うと思ってたのよ」「そんな事を考えるのは、貴女達だけだろ」「イイエ、私達ばかりか男性陣も何人か言ってたし、この旅行に参加している女性の多くが、二人の雰囲気が余りにも良いから 私達は忘れ去られるヨ、って声もあったのよ」「オォ~‼」とビックリした表現で声を出し、「まさか‼」の一言で、その話は終わったが後々、随分と噂が残ってましたよ(笑)。

このように、卒業間近にも拘わらず良い噂が出るって不思議。だから修学旅行に参加して居なかった高知出身の随分年上の友人にも噂が飛んでおり、「今度の修学旅行、随分と雰囲気の良い女性と良い仲に成ったとか(笑)。本当か?」と話が出た位、ビックリしたと同時に、半ば喜んだし残念がったと言うオチの付いた話でした。」

 

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